間が空いてしまいましたが、東北旅行記の続きです。
東日本大震災以来ようやく三陸は女川町に来ることができました。被災地なんだ、という実感と復興させていくぞ!という町の人々の強い想いが感じられました。海鮮屋さん、手作り石鹸のお店など、とても素敵なお店もありましたので、ご紹介していきたいと思います!
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Contents
震災の爪痕
宅地造成と仮設住宅
道の駅上品の里でゆったりと朝から温泉に入った後は、再度女川町へ向けて出発です。
石巻~女川(の入り口)にかけては、海沿いと内陸側を通るルートがあり、前夜の往路は海側、復路と2回目の往路は内陸側を通りました。
夜は気づきませんでしたが、内陸側、川沿いの道の脇にはずらっとプレハブの仮設住宅が続いているんですね。元々は田んぼであった場所に建設をしたようです。家の前には軽自動車が停まり、軒先の物干し棹には洗濯物がぶらさがり、今もなお仮設暮らしをしなければならない方が沢山いらっしゃることを伝えてきます。
道の駅の周辺でも女川町の高台でも、かさ上げした新たな住宅街を造成中ですし、前夜居酒屋で聞いたおじいっちゃんの話しかり、復興は本当にまだ緒についたばかりということを否応なしに痛感させられます。

女川町共同墓地から海を臨む
女川町に着いたのは、ゴールデンウィーク最終日の昼11時頃でした。すでに前夜駐車した、シーパルピア女川の駐車場は満杯、女川駅裏側の臨時駐車場へ車を止めました。すぐ脇には共同霊園があり、献花台があるとの標識がありましたので、一礼をして足を踏み入れることとしました。
実際には慰霊碑も献花台も墓地の一画ではなく霊園の横の道を上がったところにあるようですが、この時は気づいておらず、そのまま最上部まで進みます。歩きながら左右の墓誌を拝見すると、やはり平成二十三年三月十一日との記載が非常に多く、年齢も私と同世代の方も沢山いらっしゃいました。
その日、何が起こっていたのか。皆さんが何を考えていたのか。東北を襲った悲劇が自分自身にとってもようやく現実のものとなったように思われた瞬間です。
そうこうしながら、結果的に高台に至る斜面沿いに位置する霊園の一番奥までお邪魔する事となりました。一本の古木が霊園の頂上で皆を見守っており、振り返ると眼下には女川駅から旧市街地、そしてその奥には女川湾の青い海が広がっていました。
黙祷を捧げ、自分自身が精一杯生きていく事を誓って、霊園を後にします。

横倒しになった旧女川交番
女川港に近づくと、道路沿いに旧女川交番があります。鉄筋コンクリートの建物を、地中に刺さる杭ごと引き抜いてしまうほどの津波。その巨大な力を今に伝えています。これからも震災遺構として、整備・保存を進めていかれるそうです。ぜひ100、200年先まで、津波の恐ろしさ、自然の力の大きさ、備える事の大切さ、復興に向かう人の強さを伝えていく場所となってほしいと願います。

今の女川の姿:シーパルピア女川 & 地元市場 ハマテラス のお店
さて、ここからは復興が徐々に進む女川町の象徴、昼のシーパルピア女川&ハマテラスのエリアを少しご紹介したいと思います。
女川駅舎は夜のライトアップもきれいでしたが、日中の顔もとてもきれいです。伺ったのがGWでしたので、鯉のぼりもはためいています。 (手前のお父さんは絡まっていますが…

綺麗に整備されたこの一画でも、最新の施設が「地元市場 ハマテラス」です。開場は2016年12月23日、まだ出来立ての施設です。(前日にも訪れた”シーパルピア” としての開業のちょうど1年後にあたるそう) ごく一部ですが、今回私が訪れたお店をご紹介します。

お魚いちば おかせい さん
〇売っているもの :新鮮な魚介類! 美味しい女川丼!他沢山
まず最初は腹ごなし!ということで、どこでご飯を食べようか…と思い店内を覗くと、捌きたての綺麗な活ウニ、ホヤを食べさせてくれるお店の他、一番大きなお店では海鮮丼を多種用意しているよう。ならば、とこちら「お魚いちば おかせい 女川本店」でお昼をいただくこととしました。
こちらのお店、震災後の10月には仮店舗で営業をしていて、昨年12月のハマテラスの完成時に移ってきたんだそうです。
2016年12月23日に駅前商業エリアの「シーパルピア女川 地元市場ハマテラス」に出店した「お魚いちば おかせい」。2011年の震災後から、店長として店を守ってきた岡芳彦さんの目には、今と昔の女川、そして町の魚屋としての役割とがしっかり映っている。よっち、と呼ばれみんなに愛される芳彦さんの想いと願いとは。
情報源: ONAGAWA DAYS » issue14-01
広い売り場の奥に位置する食堂は、お昼時で大盛況…。食券を購入した後、30分待ちという事でした。↑の記事にもあるように、皆さんほとんどが海鮮丼(女川丼)を注文していて、屋内でも屋外でも、美味しそうな海鮮がどんどん皆さんのお腹に飲み込まれていきます。。
特選女川丼、長時間待ちますがその価値はあります!
お店では最新式?の食券管理がされていました。食券に印字の番号で自分がどれくらいの待ち位置にいるかがわかりますが、なかなか自分の番号が出てこない。軽く100名近く待っているようです(^▽^;;)
もはや呼び出し機も出払っていて、表示の上位に自分の番号が出てくるのを確認しつつ、アナウンス待ち。どうせなら、とほかのお店を探索しながら待つこと45分、ようやく特選海鮮丼を受け取ることができました!


特上海鮮丼をもちながら、席を探してうろうろ。(一人だと確保もできず、相席をお願いしました。お隣になった方々(二組)にお話を聞くと、どちらもGW最後だからと、仙台市内からご飯を食べに来た、とのこと。遠方からも、近場からもお客さんが集う場所になっているというのは、今後継続的に人を呼び込み、復興に繋げるためにもとても重要なことだと思います。
肝心の特選海鮮丼ですが、金額は2000円オーバー(詳細は失念しました)が、赤海老、真鯛、帆立、ブリ、トロ、小さいけど丸々一匹のイカにウニ、いくら、玉子・・・これだけテンコ盛りです! どのネタも新鮮で、それこそ彦摩呂さんの言葉を借りるなら「宝石箱や~☆」を地でいく、味も量も満足のいく一品でした。皆様もぜひ、お試しください。
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三陸石鹸工房 KURIYAさん
〇売っているもの :地元の自然素材を使った、高級スイーツのようなかわいい石けん
次はご飯待ちの間に見つけたこちらのお店、三陸・宮城の自然素材を使ったハンドメイド石鹸工房 KURIYA さんです。
三陸産自然素材の石けん
写真の通り色々な種類の石鹸が置いてあります。(詳細は後述のお店のHPをCHECK!) 素材は様々で、人参・豆乳・シルク・はちみつ・竹炭・わかめ…。色とりどりで、そして高級スイーツのような、小さなキューブ状がとてもかわいい(´▽`*) 写真のように、3個入り、9個入りといったパッケージでの販売が中心ですが、中身は沢山の種類の石けんを、自分で選んで購入することができます。
ちなみに、サイズも、もっと大きい ”洗顔用石鹸” も売っていました。
色も自然な、淡い色でとてもいいですね。香りは、レモンやラベンダー、ミントにユーカリ、と、石鹸の材料とは別に精油を使用して香り付けをしているようです。自分の気分や使い道、プレゼントなら「相手はどんな香りが好きかな~」なんて考えながら選ぶことができます♪

石けんポプリ ~男性でも買いやすいミニアイテム~

私は結局、3個入りのキューブ石鹸をお土産に購入。おすすめとしてセットになっているものではなく、お店の方のアドバイスをいただきながら自分で種類を選びました。(豆乳・人参・はちみつの黄色3種という感じ)
自分用にも、さらに小さなのキューブが沢山網袋に入った 石けんポプリを購入しました。こちらはすでにお店の方のチョイスでベストミックスになった、2種類の組あわせが販売されていました。
写真の物は確か、わかめ・ワイン・米ぬか あたりのミックスで、香りはラベンダーを中心にした爽やかなタイプです。もう一種類は柑橘と甘い香りのする組み合わせでした。
3か月くらいほのかに香りが続く、ということでしたので、今は車において使用しています。よくある人工的な香りがツーンと来る消臭剤・芳香剤と違い、優しい香りに包まれるので、とても車内の空間が心地よくなります。
マスターが石けんにかける想い
こちらの工房のマスターにも接客していただきましたが、この石けんの可能性を強く信じているという事を、香りのお話などをうかがっている中で強く感じました。今後は実力で女川から海外へも販路を拡大していきたいという事、ぜひこれから私も応援していきたいな!と思えるお店でした!
偶然の出会いから、確信へ。はたらく場づくりへの想い。石けんとの出会いは、偶然だった。訪れていた気仙沼の仮設住宅で、ワークショップを見学していた時だった。想像以上の参加者の熱気に、厨さんは驚いた。
情報源: ONAGAWA DAYS » issue06-01
KURIYAさんのホームページはこちら。ぜひ一度ご覧になってください☆
ダンボルギーニ・アヴェンダンボール
あれ?聞いたことがあるけど、なんとなく名前が違うような・・・
そうです、本来は “ランボルギーニ・アヴェンタドール” とあるべきですね。ミッドシップレイアウトからくる力強いフォルムのスーパーカーです。お値段実に4千万円超!
ところがここ、シーパルピア女川にあるのは、段ボールで作られた「ダンボルギーニ」なのです!

あまりしっかりした写真を撮れていませんでしたが、、とても精巧に作られていて、遠目に見ればスーパーカーが展示してあるとしか思えません。
特徴的なボンネットの稜線、6角形のLED ヘッドライト、リアウィングまでとてもよく作りこまれています。全体的にカクカクなのはご愛敬。エンブレムもオリジナルですね。若者の車離れが叫ばれる今でも、やはりスーパーカーは皆のあこがれ!記念写真を撮る家族連れがひっきりなしにブースに入ってきていました。
ダンボルギーニを作られた方
一体だれがこんな立派ななダンボルギーニを作るのか、と気になりますよね。製作者のお名前は今野さんという方で、石巻で梱包材の加工業を経営されていらっしゃいます。
実は前夜、居酒屋カフェで私が出会った方が、今野社長、その方だったのです。
まだダンボルギーニの存在を知らない私がお話をうかがっていると、やはり震災が何か地域のためにできる事は無いかと考えるきっかけだった。地方でも面白いことができるんだと証明して、ダンボルギーニの展示を通じて子供達に「こんな事をやれる大人がいるんだ」と思ってもらいたい、そこから地域を盛り上げていきたいとおっしゃっていました(注:お酒の席の要約)
当時の記事に次のようなコメントもあります。
子供のときの夢だった『ランボルギーニ』を、我々の今の環境や技術で作ることで地元の人々にも夢を見せることができるんじゃないかと思ったんです。~(中略)~ 『外を向いちゃう人たちに、もう一度中を向いて欲しい』という思いだったんですよね。地元でも夢を描けることができると証明したかったんです
そのほかにも、震災の当時にはご自身の会社で持つ梱包材加工の技術を活かして避難所生活を送る住民の皆さん用に簡易ベッドを作ったり、間仕切りを作ったりと活躍されていたそうです。
ごく短い間しかご一緒はできませんでしたが、情熱をもって取り組んでいらっしゃる、かつとても気さくな方で、一瞬でファンになりました。こういうカッコいい大人でありたいと強く思います。
そして本物のランボルギーニ

前夜のお酒の席でも予告はされていたのですが、この日、今野さんご自身がシーパルピア女川に来られるという情報があり、しばしシーパルピアの中をぶらぶら、のどかな写真を撮りながら待っていました。
すると・・・突然の爆音!まるで女川のゆったりとした雰囲気に合わない、静寂を貫くV12サウンドが轟きました。
音の主は、正真正銘の ランボルギーニ・アヴェンタドール。ダンボルギーニよりも、もっと明るいピンクです。これには、大人も子供も大喜びで、すぐ裏手の駐車場にあっという間に人だかりができました。ドライバーはもちろん今野社長、即席のインタビュー&撮影会と相成りました。
実車はダンボルギーニを作った後に購入されたそうです。子供のころからの憧れをしっかり手にする、やはりすごいお方だと思いました。
ダンボルギーニ公式サイトはこちらから。(知らなかったのですが、上のダンボルギーニは2代目だったようです)
なお、シーパルピアの展示ブースでは、グッズも色々販売されています。
シーパルピア女川・ハマテラスのHP
私が今回しっかり拝見したお店は以上でしたが、その他にも素敵な雰囲気を漂わせるお店が沢山ありました。ぜひ皆さんも訪れてみてください!
前日に訪れた居酒屋カフェでは、女川のさんまのつくねなど、美味しい料理もいただきました!
今回訪れたシーパルピア女川 & ハマテラスのHPはこちらから。
最後にハマテラス開業時の様子が動画になっていましたので、ご紹介したいと思います。ついこの間の12月にOPENしたばかりだったのですね。
本当に待望されていたオープンだったのだな、一つ一つが復興のシンボルになっているんだな、という事が伝わってきます。ぜひご覧ください。
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